船外機のプロペラの計算方法を解説します、ネットで検索すればほかにも色々出てくると思いますが。船舶のオーナなら知っておけば損はないので、解説できる範囲で解説します
一般的にプロペラはそのエンジンが全開にしたときに推奨回転に合うようにセットされます、その推奨回転内で適合できる2つのプロペラがあったとするとこのようになります
プロペラ1 ピッチ18 | プロペラ2 ピッチ16 | |
最高速 | 速い★ | 遅い |
加速 | 遅い | 速い★ |
燃費 | 少ない★ | 多い |
騒音 | 低い★ | 高い |
スズキの船外機のWOTデータと減速比を参考までに
でこの表から僕の船外機のDF350Aは減速比が2.29だということが分かります、下の写真の一番下の歯車の数でだいたい減速比が決められます
DF350Aは特殊な形状であまり参考になりませんが、写真下部のギアの構造はほとんど同じです、ほとんどの船外機で、この写真で下の歯車の数で減速比がおおよそ決まります。船外機はクランクシャフトと直結なので車のようにギアが変更できません減速比はその船外機固有の特性になります
私のエンジンはピッチ21以下だと全開で6400RPMですのでギア比が2.29だと、
1分間に6400÷2.29=2794回プロペラが回転します
1時間で167,685回転
プロペラピッチは単位がインチなので、センチに変換すると(例ですが)
20ピッチ×2.54=50.8cm ペラ1回転で進みます 理論値時速85㎞約46ノット(実測時速は33ノット)でした
1時間なら 167,685回転×50.8cm=8,518,398cm(85.18km)進みます
ただしこれは理論上の数字です実際にはその速度とGPSで測った数字が様々な要因で違ってきます、その速度差が船の抵抗スリップ値になります。このスリップの値が低い船は船の船底の形状がよく理想的な船底で速い船です。実際には舵やスベリなど様々な影響があります。またその影響は速度が上がれば上がるほど大きく抵抗になって表れてきます。船のちょっとした突起物を取るだけでスピードが1ノット近く変化します。
現在プロペラを変更して22.5ピッチにしました 全開で6150rpm回ります
6150÷2.29=2685回転(1分間)1時間で161,135回転
22.5ピッチ×2.54(cmに変換)=57.15cm で1時間で9,208,886㎝ 理論時速92㎞約50ノット(実測は時速35~36ノット)ですこう見ると恐ろしいくらい水の抵抗でロスしてますね。
ただこのことから推奨回転が6300~5700ですので
ピッチ24にすると全開回転数がおそらく150~200落ちるのでもし1ピッチあげて落ちる回転数が175とするなら回転数は5880rpm付近になりなんとか推奨回転範囲に収まります
24ピッチ×2.54(cmに変換)=60.9cm 1分間で2567回転 1時間で154,020
1時間で9262890回転となり 理論時速93㎞ (理論時速)もし回転数が1ピッチ125くらいしか落ちなければ
5962rpmで 5962÷2.29=2603回転 1時間で156180回転 60.9㎝×158,522 1時間で951,362km 理論時速95㎞約51ノット (多分スリップ値が高いので実測37ノット付近)になると思いますが…