
海では、季節や海流、風向きなどによって、さまざまなクラゲや浮遊生物が見られます。
「お盆を過ぎるとクラゲが出る」といわれることがありますが、
お盆を境に突然クラゲが発生するわけではありません。
クラゲは6月や7月にも見られますが、種類や成長段階によっては体が小さく、
気づきにくいことがあります。
また、暖かい海に生息する種類が黒潮などの海流に乗って運ばれるため、
地域によって多く見られる時期が異なります。
水面付近を漂うギンカクラゲやカツオノエボシなどは、
自力で大きく移動するのではなく、海流や風に流されます。
そのため、同じ季節でも日によって見られる数が大きく変わります。
ギンカクラゲ

ギンカクラゲは、青い円盤のような体を水面に浮かべて漂う生き物です。
一般に「クラゲ」と呼ばれますが、1匹のクラゲではなく、
役割の異なる個体が集まってできた群体です。
- 学名
- Porpita porpita
- 分類
- 刺胞動物門
ヒドロ虫綱
花クラゲ目
ギンカクラゲ科 - 大きさ
- 円盤部分の直径は数センチ程度です。
- 特徴
- 円盤状の浮きを持ち、その下に多数の小さな個体と触手があります。
青色から青紫色をしており、海面に浮かびながら風や海流に運ばれます。 - 分布
- 暖かい外洋に広く分布し、日本近海では黒潮の影響を受ける海域などで見られます。
- 危険性
- カツオノエボシほど毒性は強くないとされていますが、
触れると痛みや皮膚炎を起こすことがあります。
海中や海岸で見つけても、素手では触らないでください。
カツオノエボシ
海岸に打ち上げられた個体や、切れて漂っている触手にも刺す力が残っています。
死んでいるように見えても素手では触らないでください。

カツオノエボシは、青いビニール袋や風船のような浮き袋を海面に出し、
その下に非常に長い触手を伸ばして漂います。
見た目はクラゲに似ていますが、複数の個体が集まった群体です。
- 学名
- Physalia physalis
- 分類
- 刺胞動物門
ヒドロ虫綱
クダクラゲ目
カツオノエボシ科 - 特徴
- 青色から青紫色の浮き袋に風を受け、海流と風に流されて移動します。
水面下には長い触手が伸びており、浮き袋から離れた場所でも刺されることがあります。 - 分布
- 暖かい外洋に分布し、日本近海では黒潮の影響を受ける太平洋沿岸などで見られます。
風向きや海流によって海岸近くへ流れ着くことがあります。 - 危険性
- 触手には強い毒があり、刺されると電気が走ったような激しい痛み、
赤い腫れ、みみず腫れ、水ぶくれなどが生じることがあります。
重いアレルギー反応を起こす場合もあります。
クラゲに刺されたときの対処
クラゲに刺されたときは、慌てずに海から上がり、
安全な場所で処置してください。
痛みによるパニックや急な体調変化は、海中では溺水につながる危険があります。
- すぐに海から上がる
無理に泳ぎ続けず、周囲の人やライフセーバーに助けを求めてください。 - 患部をこすらない
砂をかけたり、タオルで強くこすったりしないでください。
皮膚に残った刺胞を刺激し、さらに毒針が発射されることがあります。 - 付着した触手を慎重に取り除く
素手では触らず、手袋、ピンセット、厚手のタオル、
プラスチック製の板などを使って、そっと取り除きます。 - 海水で洗い流す
刺されたクラゲの種類が分からない場合は、海水で静かに洗い流します。
真水は未発射の刺胞を刺激する可能性があるため、使用しないでください。 - 痛みのある部分を温めるか冷やす
可能であれば、やけどに注意しながら42~45℃程度のお湯で温めます。
お湯を用意できない場合は、保冷剤や氷を布などで包み、患部を冷やします。 - 症状をよく観察する
強い痛みや腫れが続く場合、広い範囲を刺された場合、
顔や首を刺された場合は、早めに医療機関を受診してください。
酢はハブクラゲやアンドンクラゲなど、一部の種類には有効とされていますが、
カツオノエボシやアカクラゲでは、かえって刺胞を刺激する可能性があります。
刺した種類が分からない場合は、酢を使用せず海水で洗い流してください。
酢や真水は使用しないでください。
海水で触手を洗い流し、素手で触れないように取り除きます。
その後、患部を温めるか冷やし、できるだけ医療機関を受診してください。
すぐに救急要請が必要な症状
次のような症状がある場合は、アナフィラキシーなどの重い反応が疑われます。
直ちに周囲へ助けを求め、119番へ通報してください。
- 息苦しさ、呼吸困難、ゼーゼーする
- 顔、唇、舌、喉などが腫れる
- 全身にじんましんが広がる
- 吐き気、繰り返す嘔吐、強い腹痛
- めまい、意識がもうろうとする
- ぐったりして反応が悪い
- 心肺停止、または正常な呼吸がない
正常な呼吸がない場合は、周囲の人と協力して心肺蘇生を開始し、
AEDがあれば使用してください。
海岸に打ち上げられたクラゲにも注意
クラゲやカツオノエボシは、海岸に打ち上げられて動かなくなったあとも、
触手に刺す力が残っていることがあります。
子どもが触ったり、棒やサンダルでつついたりしないよう十分に注意してください。












